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OSS情報

2020.01.01

【OSS情報アーカイブ】Ceph

【OSS情報アーカイブ】Ceph

※当記事に記載されている情報は、古くなっている場合があります。オフィシャルサイトで最新情報をご確認ください。

「Ceph」とは

基本情報

概要

Ceph(セフ)とは、分散マルチプロトコルストレージシステムです。オブジェクト単位/ブロック単位/ファイル単位のアクセスが可能で、OpenStack環境向けストレージとしても利用されています。

基本説明

Cephは高可用性ストレージシステムを構築できます。

「柔軟なアクセス方式」「優れた拡張性」「高パフォーマンス」「高信頼性」を実現する設計になっており、「動的拡張」「ワークロード変化対応」「ペタバイトスケールストレージ」を目指して開発されています。

C++で実装されています。

ドキュメントが充実し、サポートベンダーが多く、OpenStackのストレージ環境として注目を集めています。

経緯

「Ceph」は、タコなどの頭足類を意味する「cephalopod」から名付けられました。

2004年以前、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で開発
2006年、オープンソース化
2008年、バージョン0.1公開
2010年、Linuxカーネル2.6.34で標準実装

主な特徴

Cephストレージクラスタ(RADOS)

「Cephストレージクラスタ」は、Cephの土台となるオブジェクトストレージ基盤です。「RADOS(Reliable Autonomic Distributed Object Store)」と呼ばれる仕組みで、データをオブジェクトとして分散管理することで、拡張性と耐障害性を実現しています。「OSD(Object Storage Device)」および「モニタ」の2種類のコンポーネントで構成されます。

「OSD」は、ストレージ(ハードディスク/RAIDなど)と1対1で対応し、オブジェクト配置管理、実ストレージデータ読み書き、データ冗長化などを行います。OSDを追加していくことで、容易にスケールアウトできます。

「モニタ」は、「Cephストレージクラスタ」の構成情報(クラスタマップ)をもとにして、OSD構成、クラスタ管理、稼働状態監視を行います。モニタを複数配置して冗長化できます。

柔軟なアクセス方式

Cephは、用途に応じて、オブジェクト単位/ブロック単位/ファイル単位でのアクセスが可能です。RADOSの上に、さまざまなクライアントデータアクセス機能を追加することで、ブロックデバイス/ファイルシステムとしても利用できます。

クライアントは次の3種類の方法でCephストレージクラスタにアクセスできます。
RADOSGW(RADOS Gateway):オブジェクト単位でのアクセスを提供します。「Amazon S3」「OpenStackのSwift」と互換性があります。
RBD(RADOS Block Device):仮想マシン/Linuxカーネルなどのクライアントからのブロック単位でのアクセスを提供します。
Ceph FS(Ceph File System):ファイル単位でのアクセスを提供します。POSIX(Portable Operating System Interface)互換の分散ファイルシステムです。

スケーラブル

1万台の装置、EB(エクサバイト、ペタバイトの1000倍)規模に容易にスケールアウト/スケールアップが可能です。

データ配置アルゴリズム「CRUSH」

Cephは、データを任意のサイズに分割して分散配置します。

クライアントは、モニタからクラスタマップを取得し、その情報を使用して「CRUSH」アルゴリズムでオブジェクトの格納先を計算し、該当するOSDにアクセスします。

サーバに問い合わせることなく、格納先を計算できるため、サーバの処理能力がボトルネックにならずに、容易に大規模構成化できます。

「パフォーマンスが高い」「構成変更時のデータ移動が少ない」「単一障害点を排除できる」「対障害性が高い」などのメリットがあります。

この「CRUSH」アルゴリズムは、非常に優れており、ファイル数/サーバ数が増えても計算時間が長くならないという特徴があります。

同様製品

同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。

オープンソース製品:「Gluster」「Torus」など。

ライセンス情報

Cephのライセンスは「GPL2/LGPL2.1」です。このライセンスに従うことを条件として、ソースコードの改変と公開が許可されています。

ダウンロード

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