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OSS情報

2020.01.01

【OSS情報アーカイブ】7-Zip

【OSS情報アーカイブ】7-Zip

※当記事に記載されている情報は、古くなっている場合があります。オフィシャルサイトで最新情報をご確認ください。

「7-Zip」とは

「7-zip」基本情報

■概要

7-Zip(セブンジップ)とは、ファイル圧縮/展開アーカイバです。「高圧縮率」「多くのフォーマットに対応」などの特色があります。WindowsやLinuxなどで使用できます。

■基本説明

7-Zipは、Windowsを主な対応OSとするオープンソースのファイルアーカイバ(圧縮/展開ツール)です。

有償の圧縮/展開ツールに匹敵する高機能や高圧縮率が評価され、高い人気を得ています。

■動作環境

Windows版

Windows用として「32ビット版」と「64ビット版」が提供されています。

64ビット版では、64ビットCPU(AMD64/Intel 64/IA-64など)に対応しており、巨大なメモリマップをサポートすることで、圧縮処理を高速化できます。

Windows版では、「GUI操作」および「CUI操作」が可能で、「Windowsシェル統合」「ファイルマネージャ機能」などを利用できます。

Linux版

7-zipは、当初、Windows用に設計されていましたが、後に、UNIX/Linuxに移植され利用できるようになっています。

「p7zip」は、7-Zipの7zと7zaコマンドラインツールが移植されたCUI版で、標準7zアーカイブストリームを生成します。

USBポータブル版

USBメモリー対応する「7-Zip Portable」なども提供されています。

■経緯

2000年頃、7-Zipの開発が始まり、活発に開発が続いています。

2007年、SourceForge.netコミュニティにより「技術デザイン賞」と「ベストプロジェクト賞」を受賞しています。

■オフィシャルサイト情報

オフィシャルサイト

→7-Zip

ライセンス情報

7-zipのライセンスは「GNU Lesser General Public License+他」です。

詳細について、こちらを参照ください。
→7-Zip →7-Zip License for use and distribution

ダウンロード

→7-Zip →Download

■同様製品

同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。

オープンソース製品:「PeaZip」など。

「7-zip」の主な特徴

■アーカイブファイル管理ツール

7-Zipは、単にファイルの圧縮/展開を行うだけではなく、書庫管理機能があります。

エクスプローラーでファイルを参照したり実行したりするように、7-Zipでは圧縮ファイルの内部を参照したり、特定ファイルに対する圧縮/展開を行えます。

■サポートするアーカイブ形式

7-Zipは多くのアーカイブ形式に対応しています。

デフォルトアーカイブ形式「7z」

7-Zipのデフォルトアーカイブ形式として「7z」というアーカイブ形式を使用します。

高い圧縮率が特徴で、さまざまな圧縮アルゴリズムを組み合わせて使用できます。

7-Zipは、デフォルトアーカイブ形式「7z」の他にも、多数のアーカイブ形式をサポートしています。

圧縮/展開に対応

・7z
・XZ
・BZIP2
・GZIP
・TAR
・ZIP
・WIM など

展開のみ対応

・CAB(Windowsで用いられるデータ圧縮用ファイルフォーマット)
・ext2/ext3/ext4(Linuxファイルシステム)
・FAT(Windows用ファイルシステム)
・ISO(ディスクイメージファイル)
・LZH(ファイル圧縮フォーマット)
・MSI(Microsoft Windows Installer)
・NTFS(Windows標準ファイルシステム)
・RAR(ファイル圧縮フォーマット)
・VHD(仮想ディスクイメージ)
・VMDK(仮想ディスクイメージ) など

■多言語対応

7-zipは87ヶ国語以上に対応しており、日本語で利用できます。

「7-zip」の主な機能

「7-zip」の主な機能

■圧縮レベル調整機能

圧縮レベルについて「無圧縮」「最速」「高速」「標準」「最高」「超圧縮」から選択して圧縮できます。

■暗号化機能

概要

7-Zipは、暗号化機能を提供します。
・「7z」「ZIP」形式に対応
・暗号化は「ファイル」「ディレクトリ」の両方に対して有効
・パスワード設定が可能

「AES-256」暗号化

7-Zipは、「AES-256」アルゴリズムによる暗号化をサポートしています。

この暗号化アルゴリズムでは、256ビット長の暗号鍵を使用します。暗号化キーを作成するため、7-ZipはSHA-256ハッシュアルゴリズムに基づく導出関数を使用します。キー導出関数は、ユーザーによって定義されたテキストパスワードから派生キーを生成します。

■自己解凍書庫

7-zipは、自己解凍書庫を作成できます。

作成した自己解凍書庫を送付すると、7zを展開できるツールを持たないユーザーでも展開できます。

「7-zip」のデフォルトアーカイブ形式「7z」

「7-zip」のデフォルトアーカイブ形式「7z」

■概要

7-Zipは、デフォルトで「7z」アーカイブファイルを生成します。拡張子は「.7z」です。

「7z」は、データ圧縮形式およびファイルフォーマットでアーカイブ形式です。高い圧縮率を提供し、さまざまな圧縮アルゴリズムを組み合わせて使用できます。

複数のディレクトリ/ファイルを格納できる点も特徴です。

■サポートする圧縮アルゴリズム

・LZMA:LZ77アルゴリズムの改良と最適化バージョン
・LZMA2:LZMAの改良版
・PPMD:Dmitry ShkarinのPPMdHの改良版
・BCJ:32ビットx86実行可能ファイル用のコンバータ
・BCJ2:BCJの改良版
・BZIP2:標準ブロックソート(BWT:Burrows-Wheeler Transform)アルゴリズム
・Deflate:ZIP形式等で用いられる圧縮アルゴリズム(LZ77アルゴリズムベース)

■ロスレスデータ圧縮アルゴリズム「LZMA」

概要

「LZMA(Lempel-Ziv-Markov chain-Algorithm)」はデータ圧縮アルゴリズムです。7z形式において、LZMA/LZMA2がデフォルトで使用されます。

LZMA圧縮アルゴリズムは、データ品質を維持しながらファイルサイズを縮小できる圧縮アルゴリズムの一種です。

高圧縮率

「Repeated Offsets」「Binary Range Coder」「コンテキストベース確率分布」「最適マッチング」などの技術を利用した「高い圧縮率」が特徴です。

組み込みアプリケーション向け

LZMA圧縮アルゴリズムは、「GNU LGPL」ライセンスで利用できるため、組み込みアプリケーションに適しています。

ファームウェア(ROM)圧縮などに利用できます。

その他のポイント

・ロスレスデータ圧縮
・復元処理が高速かつ省メモリ
・圧縮処理にはそれなりの時間とメモリ量が必要
・改良LZ77圧縮アルゴリズム(LZ77に類似した辞書式圧縮法)
・可変辞書サイズ(最大4GB)
・マルチスレッド(ハイパースレッディング)をサポート

■高圧縮率

7z形式(LZMA圧縮アルゴリズム)は、高圧縮率が特徴です。
・圧縮ヘッダの圧縮も可能
・「ZIP互換(PKZip/WinZipなど)」よりも2〜10%高い圧縮率
・「ZIP」形式に比べて30〜70%高い圧縮率
・「RAR」「ACE」などの高圧縮率に匹敵
・複数の圧縮レベルから選択可能

■暗号化機能

7z形式では、「AES-256」による暗号化を利用できます。

「AES-256」とは、暗号化方式「AES(Advanced Encryption Standard)」の中で、256ビット長の暗号鍵を使用する方式です。

「AES」は、2000年に、それまでの標準的な暗号化方式「DES(Data Encryption Standard)」に替わる新たな暗号化方式として、米国の国立標準技術研究所(NIST)によって米国標準規格として導入されました。

共通鍵暗号方式で、使用する暗号鍵が「128ビット」「192ビット」「256ビット」の3種類から選択できます。「128ビットでは2の128乗」「256ビットでは2の256乗」のパターン数を持つことになり、数字が大きいほど鍵の解析に対して高い強度を発揮します。近年では、鍵長が最も長い「AES-256」が一般的に利用できる暗号化技術としては、最高レベルと位置づけられています。

■Unicodeで格納

「7z」では、Unicodeですべてのデータを格納するため、文字コード体系が異なるファイルを混在させることが可能です。

■7zアーカイブをサポートするアプリケーション

・7-Zip(p7zip)
・PeaZip
・Explzh
・Lhaz
・WinRAR など

■破損した7zアーカイブを回復する方法

オフィシャルサイトで「破損した7zアーカイブを回復する方法」について参照できます。

→7-zip →How to recover corrupted 7z archive

 

参考元サイト

※定期的にメンテナンスを実施しておりますが、一部情報が古い場合がございます。ご了承ください。

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