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デジタル寺田の3分用語解説

2024.11.25

【デジタル寺田の3分用語解説】「企業によるベンダー、SIerへの 訴訟 」とは?〜日本通運がアクセンチュアを提訴〜🏢

【デジタル寺田の3分用語解説】「企業によるベンダー、SIerへの 訴訟 」とは?〜日本通運がアクセンチュアを提訴〜🏢

「企業によるベンダー、SIerへの 訴訟 」とは?〜日本通運がアクセンチュアを提訴〜

解説動画

解説テキスト

はじめに

今日は「企業によるベンダー、SIerへの訴訟。日本通運がアクセンチュアを提訴」について、解説していきます!

システム開発の失敗が招く「巨額損害賠償の現実」

さて、みなさん、今日はシステム開発の失敗がどれほど大きな影響を与えるのか、そしてその結果として発生する損害賠償の事例についてお話しします。今回注目したのは、日本通運がアクセンチュアに対して提訴した、約125億円の損害賠償の話です。これは、単なるビジネス上の失敗というのを超えた、深刻な問題なんですよ。特に要件定義や設計を間違えると、最後までそれが尾を引いて、修正不可能なほど大きな損害をもたらすということを改めて考えさせられます。

「125億円損害賠償」の背景

そもそもこの125億の損害とは何なのかというと、おそらくは日本通運がアクセンチュアに発注した金額の返金だと思われます。開発体制は300人から400人、ピーク時は800人とも言われています。もともと巨大なプロジェクトだったんですね。

「納品を巡る主張の食い違い」による損害賠償問題

双方の主張はどうだったんでしょう?この訴訟を見ていると、双方の主張に違いがあることがわかります。アクセンチュアは、システムが納品されており、すでに結合テストまで完了していたと主張していますが、日本通運は、打鍵テストや検収で多くの不具合が見つかっていて、修正が必要のためまだ納品されていないという見解です。この違いが原因で損害賠償問題に繋がってしまったわけですね。

現場目線の「打鍵テスト」が浮き彫りにした「要件定義の曖昧さ」

私はこの「打鍵テスト」が結構ポイントかな、と思いました。記事によると「打鍵チェック」では日本通運の現場社員が多数参加したとのこと。おそらく要件定義であいまいになっていたようなことについて、現場の目線で「これは使えない」という報告が多数上がったのではないでしょうか。

「打鍵テスト」を巡る「仕様認識のズレ」が浮き彫りにする請負開発の課題

つまり本質的には、報告された「不具合」が、「要件定義で定められた、仕様から見て不具合だった」のか「要件定義で定義されておらず、不具合ではなく追加の要件だった」のか、ということなのではないかと推測します。これが請負開発の本当に難しいところですよね。。。ちなみに「打鍵テスト」の位置付けについても、両者の主張の相違があるようです。「打鍵テスト」が結合テストの検収条件になるかどうか、ということのようです。ちなみに一般的には「打鍵テスト」は結合テストのフェーズよりも、もう少しあとの最終的なテストフェーズで行うことが多いです。私としては結合テスト段階で「打鍵テスト」を検収条件にするのはあまりないのではないかと思いました。

「2025年の崖」が生む「開発需要の急増」と「人材流出」の影響

ちなみにこの問題が発生した背景には「2025年の崖」があるのではないかとも言われています。2025年には、古いシステムを更新するタイミングを迎える企業が増え、その結果、開発需要が急増しています。これによって、特に外資系コンサルティング企業が国内のシステム開発に積極的に参入しているみたいです。その結果、優秀な人材が外資系企業に引き抜かれ、結果として企業内のシステム部門の力が弱体化しているとも言われています。

文化シヤッターと日本IBM訴訟に見る「カスタム開発の比率変動」が招くリスク

参考までに、文化シヤッターと日本IBMの訴訟についても触れておきましょう。文化シヤッターは2015年に日本IBMに販売管理システムの開発を依頼しました。最初の計画では、標準部品を80%、カスタム開発を20%に抑える予定でしたが、実際にはカスタム開発が大幅に増え、最終的にはシステム全体の95%がカスタム開発になったんです。この大きな変更が、プロジェクトに大きな影響を与えました。

設計不備と進捗遅れが招いた「文化シヤッターの開発プロジェクト中止」

さらに、開発の進行が遅れ、2017年にはプロジェクトが完全に頓挫してしまったんです。その原因としては、システム設計の問題や開発の進捗不足が挙げられます。テストの段階で、多数の欠陥が見つかるという大きな問題も発生しました。この時点で、文化シヤッターはプロジェクトを中止する決定を下したんですね。

プロジェクト管理の不備で「20億円賠償命令」を受けた日本IBM

文化シヤッターは、その後、日本IBMに対して損害賠償を求めて訴訟を起こしました。この訴訟では、プロジェクトマネージメントの不備が問題視されました。実際、裁判では日本IBMがプロジェクトの進行管理を適切に行わなかったことが責任として認定され、最終的に日本IBMは約20億円の損害賠償を支払うことになったんです。

要件定義とプロジェクトマネジメントの重要性を示す「損害賠償事例の教訓」

この訴訟は、要件定義の重要性に加えて、プロジェクトマネージメントの重要性についても考えさせるものでした。プロジェクトマネージメントがしっかりしていれば、問題を早期に発見し、対処できるはずなんですよね。これは日本通運のプロジェクトでもそうだったのかもしれませんね。

おわりに

さて、みなさん、いかがでしたでしょうか。
質問があれば、ぜひコメントしてくださいね!

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