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OSS情報

2020.01.01

【OSS情報アーカイブ】mruby

【OSS情報アーカイブ】mruby

※当記事に記載されている情報は、古くなっている場合があります。オフィシャルサイトで最新情報をご確認ください。

「mruby」とは

「mruby」基本情報

■概要

mruby(エムルビー)とは、Ruby言語の軽量実装です。組み込み開発やアプリケーション組み込み用途に向いています。

■基本説明

mrubyは、プログラミング言語「Ruby」のためのインタプリタであり、省メモリ版Ruby実装です。

一部ISO標準に準拠しており、「軽量」「簡単に組み込み可能」などの特徴があります。

■経緯

・2012年 初版リリース

mrubyプロジェクトは、Ruby言語の開発者でもある、まつもとゆきひろ氏が率いるプロジェクトで、100人以上の貢献者が開発に取り組んでいます。

mrubyは経済産業省のサポートを得て「平成22年度 地域イノベーション創出研究開発事業」「軽量Rubyを用いた組込みプラットフォームの研究・開発」において、2年の歳月をかけて開発されました。

主な特徴

■Rubyベース

mrubyは、Ruby言語がベースになっています。
→OSSxCloudNews →オープンソースの言語/Rubyとは

mrubyはRuby同様に、次のような特性を持っています。
・動的型付け言語(型なども実行時判断)
・「メモリ割り当て」「メモリ解放」などの管理が言語処理系により自動実行

■コンパイラ言語

コンパクト処理系「mruby VM」

mrubyは、VM(仮想マシン)上で動作するため環境に依存しません。

実行形式

Rubyアプリケーションはスクリプトですが、mrubyでは組み込み開発を考慮されており自由度が高くなっています。

・mrubyコンパイラによりバイトコードに変換して実行

・スクリプトのまま実行 など

クロス開発不要

mrubyアプリケーションは、環境に合わせたVMを用意することで動作できるため、クロス開発は不要です。

ハードウェア開発前にPC上でシミュレートすることで開発を開始できるメリットがあります。

■C言語との高い互換性

互換性

mrubyはC言語との高い互換性を持ちます。
・mrubyからC/C++の呼び出し
・C/C++からmrubyアプリの呼び出し など

C言語+mruby

mrubyは高速ですが、C言語と比較すると動作が遅い面もあるため「高速処理が必要な部分にはC/C++を使用」「その他はmrubyを使用」などのように、組み合わせて利用できます。

■インクリメンタルガベージコレクション

mrubyは緩やかなガベージコレクションを行うため、システムのリアルタイム性を損ないません。

ガベージコレクションの頻度を最適化する「Generational Mode」という手法も取り入れています。

■組み込み統合

組み込み開発における開発生産性

mrubyは、Rubyの「書きやすい」「習得しやすい」という特長を活かしつつ、組み込み開発の抱える短納期/高機能/低予算/技術者不足などの課題解消に貢献できる言語です。

省メモリ

mrubyは、100Kバイト程度の少ないメモリで動作できます。

アプリへの組み込み

一般的な組み込みシステムにmrubyを活用できますが、各種アプリケーションに対する組み込みも行えます。
・エディタのマクロ言語
・データベースのトランザクション言語
・アプリケーション設定ファイル
・Apacheへの組み込み(RubyでApacheを制御) など

補足情報

■同様製品

同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。

オープンソース製品:「Lua」「P言語」など。

■オフィシャルサイト

オフィシャルサイト

→mruby

ライセンス情報

mrubyのライセンスは「MIT license」です。

詳細について、こちらを参照ください。
→GitHub →mruby/LEGAL

ダウンロード

→GitHub →mruby/mruby

 

参考元サイト

※定期的にメンテナンスを実施しておりますが、一部情報が古い場合がございます。ご了承ください。

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