マジセミドライブ

ウェビナー関連のニュースやITサービス&ツールの最新情報を随時配信します。

OSS情報

2020.01.01

【OSS情報アーカイブ】CentOS

【OSS情報アーカイブ】CentOS

※当記事に記載されている情報は、古くなっている場合があります。オフィシャルサイトで最新情報をご確認ください。

「CentOS」とは

「CentOS」基本情報

■概要

CentOS(セントオーエス)とは、「Red Hat Enterprise Linux」との完全互換を目指すオープンソースLinuxディストリビューションです。

■基本説明

CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のソースコードをベースに開発されているため、「RHELクローン」と呼ばれることもあります。

Red Hat Enterprise Linuxから引き継ぐ「高機能」「高い安定性」が特徴です。

■経緯

初期版リリース

・2004年:初期版リリース(RHELバージョン2.1ASからフォーク)

名称の由来

CentOSの名称は「Community ENTerprise Operating System(コミュニティベースで開発されたエンタープライズクラスのオペレーティングシステム)」に由来します。

CentOSプロジェクトコミュニティ

CentOSプロジェクトは、コミュニティ主導のフリーソフトウェアの取り組みです。

堅牢なオープンソースのエコシステムを提供することに焦点を当てており、幅広い種類の展開に適した一貫した管理可能なプラットフォームを提供しています。

オープンソースコミュニティとして「コード構築」「テスト」「リリース」「維持管理」などの基盤が構築され、開発が続けられています。

■オフィシャルサイト情報

オフィシャルサイト

→CentOS(CentOS Project)

ライセンス情報

CentOSのライセンスは「GPL および その他ライセンス」です。

詳細について、こちらを参照ください。
→CentOS →CentOS Legal

動作環境

CentOSは「64ビット版x86系アーキテクチャ」のみをサポートしています。AWSやGoogleクラウド用の一般的なクラウド初期化対応イメージも提供します。

AltArchスペシャル・インタレスト・グループのコミュニティ版として、その他のアーキテクチャ用バージョンも提供されています。

ダウンロード

→CentOS →Download

■同様製品

同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。

オープンソース製品:「Red Hat Enterprise Linux」など。

「Red Hat Enterprise Linux」互換

■「Red Hat Enterprise Linux」とは

Red Hat Enterprise Linux(RHEL)とは、RedHat社によって開発/販売が行われているオープンソースの製品版Linuxディストリビューションです。

エンタープライズ用途を考慮しており、大規模システムでの稼動を前提としています。

■RHELクローン「CentOS」

2004年3月以来、CentOSは、Red Hatによって一般に自由に提供されたソースから派生したコミュニティサポートのディストリビューションでした。そのため、CentOSはRed Hat Enterprise Linuxとの機能的互換性を目指しています。

CentOSは「100%の互換性を持つRHELのクローンを作りあげること」を目標としています。

■フリーライセンスパーツでリビルド

GNU General Public License(GPL)

Linuxとそのユーティリティーを提供しているGNUソフトウェアは原則として「GNU General Public License(GPL)」ライセンスの下で、フリーでオープンなソフトウェアとして利用できるようになっています。GPLはソースコードの利用について、個人/集団/無償/有償を問いません。

GPLはコンピュータプログラムのソースコード公開を原則としているため、GPLに違反しない限りにおいて、企業/コミュニティ/ユーザーは対象ソースコードを入手できるようになっています。

「Red Hat Enterprise Linux」もGPL

「Red Hat Enterprise Linux」もGPLであるため、RedHat社は、対象ソースコードを公開しています。

フリーパーツでのリビルド

CentOSは、RedHat社から公開される「Red Hat Enterprise Linux」のソースコードを元にリビルド(再構築)して、「Linuxカーネル」「ドライバ」「アプリケーション」などをパッケージングして、Linuxディストリビューション「CentOS」を提供しています。

RedHat社が提供するソースコードの中には、「商標」「ライセンス」の関係で自由に流用できないパーツ(コード)も含まれています。そのため、それらのパーツをフリーライセンスで使用できるパーツに置き換えることで、RHELクローンとしてRHELと非常によく似た最終製品として作り直しています。

■高機能

CentOSは、エンタープライズLinux「Red Hat Enterprise Linux」とほぼ同等の「機能」「性能」と「ハイクラスの品質」を有します。

さまざまな用途に対応できる安定性が高いサーバOSとして利用できます。

■無料で利用できる

「Red Hat Enterprise Linux」を実際に利用するためにはコストがかかります。エンタープライズOSとして、年額で10万円以上のコストが必要となります。

一方、CentOSでは、「Red Hat Enterprise Linux」に限りなく近いLinuxディストリビューションとして、無料で利用できます。

■サポートの有無

「Red Hat Enterprise Linux」と「CentOS」の比較において、実際の運用において最大の問題となるのは「サポートの有無」です。

「Red Hat Enterprise Linux」の場合

「Red Hat Enterprise Linux」では、RedHat社が商業的テクニカルサポートを提供しているため、安心して利用できるメリットがあります。

「CentOS」の場合

「CentOS」では、コミュニティベースであるため、開発コミュニティとして、RHELのような有償サポートは提供していません。基本的にトラブルが発生した場合は自己対処が必要となります。

ただし、IT関連企業が提供している「CentOSテクニカルサポートサービス」などを利用できます。CentOSのメンテナンスサポートを行うサービスベンダーも増加しています。

■「Red Hat Enterprise Linux」に関連する3つのOS

①Fedora

Fedoraは、RHELに関連する部分として「先進技術導入実証実験用OS」という立ち位置にあります。RedHat社による支援はありますが、独自開発コミュニティとして開発を続けています。

リリースサイクルは約6ヶ月で、最新先進技術が導入されます。Fedoraに導入されて一通り安定した技術がRHELに導入される技術の候補となります。

→OSSxCloudNews →オープンソースのOS/Fedoraとは

②Red Hat Enterprise Linux

Red Hat Enterprise Linuxは、Fedoraからのフィードバックを反映させつつ、安定したパッケージを選定し、堅牢サーバ機能を提供します。

「テクニカルサポート」「バグフィックス」などの有償による堅実なサポートを受けらます。

→OSSxCloudNews →オープンソースのOS/Red Hat Enterprise Linuxとは

③CentOS

CentOSは、RHELの成果物(バグフィックス/セキュリティー対応など)を順次取り入れて、リリースされます。

「CentOS」の主な特徴

「CentOS」の主な特徴

■安定性重視

CentOSはサーバでの長期間稼働を想定して、安定性を優先した設計思想になっています。枯れて堅牢なパッケージを採用することで長期間運用に耐えうる安定性を提供します。

低頻度アップデート

Fedoraなどの革新性を求めるLinuxディストリビューションのように最新技術を頻繁に取り込んでいくことがないため、アップデート回数を少なくできるできるメリットがあります。

CentOSのメジャーバージョンは数年ごとにリリースされます。その間は、基本的に、定期的なセキュリティアップデートがリリースされます。また、新しいハードウェアをサポートするための更新が含まれる場合もあります。

サーバ用OSは安定稼働が求められるため、アップデートメンテナンスのためにサーバを停止させる回数を少なくできるのは重要なポイントになります。

低頻度アップデートにより、「メンテナンスが少ない」「信頼性が高い」「予測可能で再現性が高い」などの特徴を持つLinux環境を実現できます。

「Red Hat Enterprise Linux」のリリースに追従

CentOSは、基本的に「Red Hat Enterprise Linux」のリリースに追従します。

コミュニティーのマンパワー、技術面、組織的面の関係上、RHELの最新バージョンがリリースされてから、CentOSがリリースされるまで平均して1ヶ月程度の遅延が発生します。

■長期間サポート

CentOSのサポート期間は「最大10年間」維持されます。

他のOSやディストリビューションと比較して、特に「長期間にわたるセキュリティフィックスサポート」は安心材料となります。

2014年7月7日リリースされた「CentOS7」も10年間サポートされます。2024年6月30日までサポートされ、確実なセキュリティアップデートを受けることができます。

「CentOS」のユースケース

「CentOS」のユースケース

CentOSは基本的にサーバ業務として利用されており、個人/中小規模からエンタープライズ規模まで、さまざまなシステムのサーバOSとして幅広く使用されています。

■企業ユース

CentOSのターゲットは、「Red Hat Enterprise Linux」と同様に、企業のサーバやデスクトップ環境の構築向けです。

ホスティング

ホスティングサービスなどを行う大規模な企業システムでもCentOSが採用される導入事例が増加しています。

レンタルサーバ

CentOSは、レンタルサーバの標準OSとしても採用されており、サーバ構築時の選択肢になっています。

■個人ユース

デスクトップOS用途

CentOSは個人用デスクトップ用途としても利用できます。

高機能なGUI環境も標準で提供されており、オフィススイート「LibreOffice」などの各種アプリケーションをインストールすることで、安定性の高い本格的なデスクトップOSとして使用することもできます。

安定性に優れているため、CentOSを搭載したPCも発売されています。

 

参考元サイト

※定期的にメンテナンスを実施しておりますが、一部情報が古い場合がございます。ご了承ください。

この記事のタグ一覧

おすすめの記事

【デジタル寺田の3分用語解説】 「 103万の壁 」(年収の壁)とは?🧱

デジタル寺田の3分用語解説

2024.12.02

【デジタル寺田の3分用語解説】 「 103万の壁 」(年収の壁)とは?🧱

「 103万の壁 」とは、給与収入が年間103万円を超えると、所得税が課税される「年収ライン」を指します。このラインを超えると手取り収入が減少するため、多くの人が働き方を調整します。住民税や扶養控除外れも家計負担に影響します。他にも、厚生年金などの負担が発生する「壁」が存在し、制度の見直しが議論されています。

【デジタル寺田の3分用語解説】 ガートナーが発表した「2025年の戦略的テクノロジの トップ トレンド 」とは?🌟

デジタル寺田の3分用語解説

2024.12.02

【デジタル寺田の3分用語解説】 ガートナーが発表した「2025年の戦略的テクノロジの トップ トレンド 」とは?🌟

ガートナーが発表した「2025年の戦略的テクノロジー トレンド 」には、自律的意思決定を行う「エージェント型AI」「AIガバナンス・プラットフォーム」「偽情報拡散防止技術」「次世代コンピューティング技術」が含まれます。これらは仕事や生活に深く影響し、企業競争力向上のカギとなると予測されています。

【デジタル寺田の3分用語解説】 「 OTセキュリティ 」とは?〜ITセキュリティ との違い〜🔑

デジタル寺田の3分用語解説

2024.12.02

【デジタル寺田の3分用語解説】 「 OTセキュリティ 」とは?〜ITセキュリティ との違い〜🔑

「 OTセキュリティ 」は、工場や発電所の産業用制御システムを守るためのセキュリティで、安全性が重視されます。ITシステムとの接続増加により脅威が高まり、「運用停止の難しさ」や「管理部門間の連携不足」が課題です。サイバー攻撃の増加に伴い、対策の強化が急務となっています。