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OSS情報

2020.01.01

【OSS情報アーカイブ】ResearchKit

【OSS情報アーカイブ】ResearchKit

※当記事に記載されている情報は、古くなっている場合があります。オフィシャルサイトで最新情報をご確認ください。

「ResearchKit」とは

基本情報

概要

ResearchKit(リサーチキット)とは、Appleが提供するオープンソース医療研究アプリ向けフレームワークです。iOSデバイスを利用して医療ビッグデータを収集し、医学研究のサポートを目的としています。

基本説明

ResearchKitは、iOSモバイルデバイス(iPhone/Apple Watchなど)を使用している多くのユーザから医療関連ビッグデータを収集することにより、医療研究調査頻度/精度向上を狙い、医師/研究者を支援することを目的としています。

ResearchKitはObjective-Cで実装されています。

経緯

2015年4月、Appleは「ResearchKit」を研究者/開発者向けに提供開始しました。

主な特徴

医療ビッグデータ収集

特定の疾患を研究するためには多くのデータを蓄積することが必要ですが、今までは、患者が研究に参加するために病院/専門施設などへ出向くことが必要でした。そのため、多くのデータを収集するのは困難でした。

しかし、ResearchKitでは、遠隔地からでもiPhoneで、多くの患者が研究プログラムに参加でき、直接的に医療バイタルビッグデータを収集できます。ResearchKitの登場により、数百万人/数千万人レベルの大規模データを収集し、医療研究に活用できるようになりました。

プライバシー保護

ResearchKitで取得されるデータは、Appleを経由することなく、直接医療機関に送信されます。Appleに情報が漏れることはありません。

収集可能データ

ResearchKitベースのアプリは、調査参加者の許可を得て、データ収集/送信を行います。

UI問診調査、加速度センサー/ジャイロスコープ/マイク/GPSなどのセンサーデータを活用し、参加者の活動レベル/運動障害/記憶などに関する情報を収集します。

「HealthKit」との連携

Appleのソフトウエアフレームワーク「HealthKit」とシームレスに連動し、健康/フィットネスアプリとの相互通信も可能です。

医療コミュニティと連携

世界中の医療コミュニティと連携し、「患者個人のニーズ」と「現代の医学研究者が直面している課題」に対応できるフレームワークになっています。

研究チームからのアドバイス

海外の研究チームは、iPhoneを利用して研究協力者と連絡を取り、さまざまな医療に関わるアドバイスを出しています。

日本国内では、医師法などで定める医療行為に該当する可能性などの問題がありますが、法律の許す範囲での活用が期待されています。

研究対象症例

パーキンソン病、自閉症、てんかん発作予測、ぜんそく、COPD、糖尿病、C型肝炎、産後うつ病、病気と睡眠習慣の関連性、不整脈と脳梗塞、ロコモティブシンドロームなど、多くの症例に対する研究が進行しています。

同様製品

同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。

オープンソース製品:「CareKit」など。

導入事例

アメリカでは、非常に多くの研究機関/医療機関がResearchKitアプリを公開しています。

日本国内では、慶應義塾大学医学部の心房細動研究用「Heart & Brain」、東京大学の糖尿病研究用「GlucoNote」、順天堂大学のロコモーティブシンドローム用「ロコモニター」/パーキンソン病用「iPARKSTUDY」/ぜんそく用「ぜんそくログ」などのアプリが公開され、臨床研究が開始されています。

ライセンス情報

ResearchKitのライセンスは「ResearchKit BSD」ライセンスです。このライセンスに従うことを条件として、ソースコードの改変と公開が許可されています。

ダウンロード

ダウンロードページ

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