ランサムウェアに狙われる医療機関、ガイドライン改定でセキュリティ強化は必須に
昨今、多くの業界・業種で進んでいるデジタル変革(DX)。医療業界も同様に、2023年4月から原則義務化された「オンライン資格確認の導入」や、2024年の医師への残業規制の適用に向けた業務効率化の観点でICT化が加速しています。
一方で「ランサムウェア攻撃」に代表されるサイバー攻撃に医療機関が狙われるセキュリティ・インシデントが急増しています。実際に感染により多大な被害を受けたという報道も聞こえるようになりました。
そうした中、医療業界へのサイバー攻撃を含むセキュリティ・インシデント対策の指標として、厚生労働省は2023年5月に「医療分野の情報システムにおけるガイドライン第6.0版」を策定し、情報セキュリティの具体的な対策に関する要求事項を記載しています。現在は、すべての医療機関におけるセキュリティ対策が必要とされています。
サイバー攻撃対策として必要性が高まる「EDR」、運用面に課題も
ガイドラインの最新版6.0版では、ネットワーク・セキュリティの観点で、従来の境界防御型だけではなく、「ゼロトラスト思考」を組み合わせて対応することが示されました。守るべきIT資産・情報にアクセスするものを「一切信用しない」(ゼロトラスト)という考え方に基づくセキュリティ対策を推奨し、具体的には内部脅威監視や「EDR(Endpoint Detection and Response)」などの措置を講じることが有効であると明記されています。
EDRの導入により、内部に侵入した脅威をいち早く検知して実害発生前の対処を可能にします。また、万が一インシデントが発生した場合でも感染経路や影響範囲を素早く特定する上でEDRが有効であると示されています。その一方で、EDRソリューションは高価な場合があり、導入のハードルになることも考えられます。また、効果的にEDRを運用するには専門的な知識とスキルが求められたり、脅威の検出後に迅速に対応する適切な運用プロセスを取り入れる必要があります。
ITコスト最適化に向けて「システム基盤刷新」の機運も広がる
医療機関の事業継続を脅かす存在となったサイバー攻撃ですが、人命を最優先とする医療業界では、IT投資におけるセキュリティ対策の優先順位は決して高くありません。その結果、脆弱性のある古いシステム機器が攻撃されてしまう状況を生み出してしまいます。
そうした中、ITコストを最適化する方法として多くの医療機関が取り組んでいるのが、ハードウェアのコスト削減を含む「システム基盤の刷新」です。電子カルテや各部門システムなどを仮想化環境に移行したり、ストレージやネットワーキング、コンピューティングを統合する「HCI(Hyper-Converged Infrastructure)」を導入する事例も増えています。
ガイドライン準拠のセキュリティ強化、信頼性の高いシステム構築・運用のコツを解説
「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改定を受け、ますます危険性が高まるランサムウェアを含むサイバー攻撃に対応するためにはどうすればよいのでしょうか。
本セミナーは、主に地域の中核病院などの情報システムの運用に従事する方を対象に開催します。厚労省のガイドラインに合わせたセキュリティ対策を実装するヒントを解説するとともに、ゼロトラスト型セキュリティ対策の第一歩として、最適なEDR導入・運用方法をご提案。さらに、ITコスト最適化に向けたシステム基盤刷新の実例などもご紹介します。
「セキュリティ対策の強化には何が必要か知りたい」「EDRの運用課題を解決する方法が知りたい」「自院のシステム運用コストを抑えたい」などとお考えの方は、ぜひご参加ください。
講演プログラム
13:45~14:00 受付
14:00~14:05 オープニング(マジセミ)
14:05~14:30 医療機関が実践すべき「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠のセキュリティ対策とは?~ランサムウェアなどのサイバー攻撃対策に役立つ「EDR」運用について事例を交えて解説~
14:30~14:45 各医科部門のシステム統合で実現する運用・管理コストの低減とセキュリティ対策~HCI(Hyper-Converged Infrastructure)がもたらすメリットとは~
14:50~15:00 質疑応答
主催
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